バイオリンで腕や指、顎が痛くなったり痺れる原因とは?
「バイオリンの演奏をしていると、腕や手や指が痛くなったり、痺れたりする」
「顎が痛くて、落ち着いて演奏できない」
とお悩みの方へ。
その理由の一つに「神経」があります。
神経にテンションがかかる、腕のポジションを取ることで、神経の流れが滞ったりすると、神経がむくんだり炎症します。
それが腕や手の痛みや痺れの原因になることがあります。
左腕と左手の場合
肘を曲げて、前腕は外に捻っていて、手首は手のひら側に曲がっている場合、「尺骨神経」と「橈骨神経の皮神経」にテンションがかかります。
上記は、肘を内側から見た図ですが、青い線が「尺骨神経/しゃっこつしんけい」です。ここから前腕の内側を通って、小指側まで伸びていきます。肘を曲げることで、4倍も神経に負担がかかってしまいます。
上記は、手首を外から見た図ですが、青い線が「橈骨神経/とうこつしんけい」です。親指の外側や背面から指先に向かって伸びていきます。
手首を手のひら側に屈曲させることで、手首の背面にあるこの皮神経にテンションがかかってしまいます。
結果、神経の血流の問題が起きて、親指の外側や手の甲側、通過するルート上の腕などに、痛みや痺れなどの不快感が生じることがあります。
右腕と右手の場合
右肘も先ほどと同じように、肘を曲げることで「尺骨神経」にテンションがかかってしまいます。
さらに右手の手首を内側に回すポジションで、「橈骨神経」全体にテンションがかかってしまいます。
結果、右も神経の血流の問題が起きて、肘の内側や小指側、親指の外側や手の甲側、通過するルート上の二の腕などに、痛みや痺れなどの不快感が生じることがあります。
改善方法
仕事でバイオリンを演奏する方や、趣味でやっている方には、やめるという選択肢がないと思います。
ですが、休憩時間や手を使わないタイミングで、「手のひらを天井に向けて」腕全体を休めてください。
上記の図のような「手のひらを上にする腕のポジションですと、橈骨神経のテンションが緩む」ので、症状が緩和しやすくなります。
もちろん、電車に座っている時などにも有効です(瞑想しているようには見えます)。
また、「尺骨神経は肘を伸ばすとテンションが減る」ので、上記の図くらい、やや伸ばし気味で腕を休ませると良いかと思います(クッションで腕を支えるもの吉)。
顎が痛い場合
顎でバイオリン本体を支えることで、顎の皮神経が少し圧迫されてしまいます。
長時間の演奏ですと負担が大きくなってしまいます。
上記図は、三叉神経と顔面神経と頚神経叢の皮神経が、黄色い線で描かれています。
圧迫される可能性としては、顎や耳の後ろに伸びている皮神経(耳鳴りにも関与)、表情筋をコントロールしている顔面神経、首の胸鎖乳突筋をコントロールしている副神経などがあります。
改善方法は、演奏していないときは、
・普段と違う方向を見るようにする。
・首を優しくゆっくり軽く回す。
・皮膚を優しく摩ったり動かしたりする。
です。決して、筋肉を強く揉みほぐしたり、強く押したりしないでください。
神経のむくみや炎症が悪化してしまします。
もちろん顔や顎周辺だけではなく、腕も同じですのでお気をつけください。
それでも難しい場合は
それでもなかなか改善せず、腕や手の違和感、顎の違和感にお困りの方は、一度ご相談ください。