骨盤矯正・骨盤の歪み説の真実とは？
骨盤の歪みと聞くと、それを矯正しなきゃと思ってしまうかもしれませんが、そもそも骨盤って歪むのでしょうか？
筋肉の使い方のアンバランスにより、「骨盤が歪んで見える」というのは別に問題はありませんが（正確ではないが）、仙腸関節の動きが悪いとか、仙腸関節をもっと動くようにといった指導は大間違いです。
仙腸関節はほんのちょっとは動く
このように2度とか1mmといった小さい範囲では動く可能性があります。
「回転と平行移動の平均値は低く、男性では1.8度/0.7mm、女性では1.9度/0.9mmであった。」
The mobility of the sacroiliac joint in healthy subjects. Kissling RO, et al. Bull Hosp Jt Dis. 1996.
痛みがある人も、ない人も、仙腸関節は変わらない
ただし、仙腸関節付近に痛みがある患者様を調べても、痛みがない人とある人で、動き方に違いはありません。
つまり、痛みや動きにくさの原因は、仙腸関節ではないということです。
「仙腸関節障害の25人の患者（21人の女性および4人の男性）を、生理的ポジションならびに極端な生理的ポジションでのレントゲン立体写真測定法で研究した。
「回転は小さく、平均2.5度（0.8度〜3.9度）であった。平行移動は平均0.7mm（0.1-1.6mm）であった。
症状のある関節と症状の無い関節の間に差はなかった。」
Movements of the sacroiliac joints. A roentgen stereophotogrammetric analysis. Sturesson B, et al. Spine (Phila Pa 1976). 1989.
仙腸関節への徒手は、仙腸関節を何も変えなかった
仙腸関節に痛みがある人に、関節マニピュレーションという徒手療法を行なっても、仙腸関節に変化はないという研究です。
「マニュピレーションが腸骨と仙骨の間の位置に影響を与えることができるかどうか、そして仙腸関節の位置検査が有効かどうかを調査する。」
「結果：レントゲン立体写真測量分析によって定義される、10人の患者のいずれにおいても、マニピュレーションは、腸骨に対する仙骨の位置を変化させなかった。」
Manipulation does not alter the position of the sacroiliac joint. A roentgen stereophotogrammetric analysis.
Tullberg T1, Blomberg S, Branth B, Johnsson R.
まとめ
つまり、怪我とか生まれつき以外で、仙腸関節がずれたり、それによって痛みが生じており、それを徒手で矯正するという概念自体が間違っているのです。
ピラティスなどの運動療法でも、そういったことを言うインストラクターはいるようですが、もちろん間違っています。
そもそも仙腸関節付近には硬くて丈夫な靭帯が複数あって、支えているわけです。
そんな簡単に動いてしまったら、構造として成り立ちません。
手で動くくらいな物であれば、ジャンプしたら外れてしまいます、、。
セラピストの先生に言われたといっても情報は鵜呑みにしては、自分の健康を守ることはできません。
情報リテラシーを向上させていきましょう！
