本当の胸郭出口症候群は、非常に珍しい?

胸郭出口症候群とは?

腕神経叢という神経の束が、首から出て腕や手まで伸びていく途中で、首の横の筋肉や、鎖骨や肋骨や頚椎の変形などで圧迫されるというものです。

症状としては、首、鎖骨、肩、腕、手の痛みやしびれ、母指球の萎縮、力が入りにくくなる、浮腫、虚血によるチアノーゼ(色が青紫色になる)などが起こると言われています。
整体院や整骨院では、この胸郭出口症候群で悩んでいる方が、沢山いるように書いていますが、どうやら科学的に見ると異なるようです。(事故などの外傷は異なります)
本当の胸郭出口症候群は、10万人に1人。
「胸郭出口症候群は、胸郭出口における神経血管の圧迫によって引き起こされる、稀な疾患(10万人に1~3人)で、腕の痛みや腫れ、腕の疲労感、異常感覚、手の脱力感や変色などの症状が起こる。」
Thoracic Outlet Syndrome: A review. 2022
この論文のように非常の稀な疾患だというのが真実です。主な症状は母指球の萎縮と、前腕内側の感覚異常があるという説があります。
また100万人に1人くらいとも言われています。
「非常にまれな疾患で、100万人に1人とされるが、われわれは実際にはもう少し多く、見逃されている例が多いのではと推測している。」
TOSの概念と診断方法 園生雅弘
ただ一般的なインターネットなどでの情報ですと、1000人あたり3~80例と言われています。(これでも結構稀ではあります)
末梢神経の問題でも同じような症状が起こる。
つまり、首〜手にかけての痛みやしびれという同じような症状が、他の原因で起こっている可能性があるということです。
別名「議論のある胸郭出口症候群/DTOS」と言います。
これは50肩と言われても、末梢神経の問題でも同じような症状が起こったり、狭窄症と言われても、皮神経が原因で狭窄症と同じような症状が起こることと類似しているように感じます。
また、胸郭出口症候群の徒手検査で、腕を上げるようなものがあります。
こういった検査は、手根管症候群のような手首部位での正中神経圧迫でも起こりますし、尺骨神経の圧迫でも起こります。つまり、首から手に伸びている他の神経でも起こる可能性はあります。
まとめ
病院でMRIなどの画像をしっかり撮って、胸郭出口症候群と言われたのなら良いのですが、ただ症状や徒手検査だけの場合は、その言葉を疑った方が良い可能性があります。
なぜなら、他の末梢神経の圧迫や炎症でも、同じような症状が起こる可能性は沢山あるからです。
